2010年06月16日

今年の国際自閉症学会において、自閉症は早期の治療では改善されないと言う報告がありました。でも、親と子供の社会的なコミュニケーションに関しては明確な効果があったと元論文には記載あり。

元ネタ:http://www.reuters.com/article/idUSTRE64P46120100526

この記事のソース:International Meeting For Autism Research, 9th Annual Meeting, May 20-22; and the Lancet, online May 21, 2010.

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2810%2960587-9/fulltext

産経新聞の件といい、おとといのフランスの記事と言い、発達障害早期治療論ばかり取り上げるのも不公平なので、今日はこの記事を取り上げたいと思います。

Green said neither behavioral nor drug treatment had been very successful at improving autistic symptoms, such as poor social skills, slow language development and repetitive behaviors.

行動治療も薬物治療も自閉症の症状改善にはほとんど効果が無かったそうです。それは社会的スキルや言語発達、行動といった分野で。

But a few smaller studies had suggested that communication-focused treatment -- based on recent insights into autism development -- might be effective.

例外として、コミュニケーションに特化した治療は効果があるかもしれないと述べています。

論文の全文入手は出来なかったのですが、要約を入手できたのでそこから詳細な実験内容を見てみたいと思います。

Children with core autism (aged 2 years to 4 years and 11 months) were randomly assigned in a one-to-one ratio to a parent-mediated communication-focused (Preschool Autism Communication Trial [PACT]) intervention or treatment as usual at three specialist centres in the UK.

対象は2歳から4歳11ヶ月までの子供です。上文中にはありませんが、調査対象者は152名。

On the basis of our findings, we cannot recommend the addition of the PACT intervention to treatment as usual for the reduction of autism symptoms; however, a clear benefit was noted for parent-child dyadic social communication.

結論しては、 自閉症の症状の軽減のために早期の治療を行うことは推奨しない。ただし、親と子供の 社会的なコミュニケーションに関しては明確な効果があった。

(以下、感想)

アメリカや英国では、早期治療で子供の自閉症を治します、という謳い文句で高額のレッスン料を徴収する会社があります。そういう会社の主張と真っ向から対立する今回の記事です。

そう考えると産経新聞のアレは親を不安がらせて、高いレッスン量の自閉症サポート教室に通わせたい人間が裏で糸を引いていたのかもしれません。

そもそも、4歳11ヶ月の段階では、本当に自閉症なのか、それとも発達がやや遅れ気味なだけで後で挽回するのか判別困難なはずで、 たとえ、そういうレッスンで改善しても、本来あるべき成長をしただけなのか、区分け困難な気もしますね。。

とりあえず、コミュニケーションに関しては効果が見られたと言うことで、よく話しかけるということを心がける以外は、自然な成長に任せるのがお財布にも精神的にも、子供のストレス的にも楽そうです。

この記事へのコメント
自然な成長と判別するために、PACTを実施するグループとしないグループの比較をしているというわけです^^
Posted by collectEX at 2010年06月16日 06:48
そうですね、今回の論文ではその比較を行っているので、ある程度信用できるのですが、
よく宣伝で見る「発達障害なおった!」系というのが、実は発達障害じゃない(ちょっと成長が一時的に遅かっただけ)という子供なんじゃないかと懸念しています。
Posted by hati_ at 2010年06月18日 22:59
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