2010年06月21日

発達障害者の時間管理という講演があったと@ozakihajimeのTweetで知った。講演者の著作から公演内容を推測してみた。

Twitterを見ていたら、@ozakihajimeからこんなツイートが。

URLをクリックしてみると、講師の情報発見。

6.講 師:水口和彦さん(ビズアーク時間管理術研究所)
          著書
 『超カンタン!時間管理術』 (秀和システム)
『たったこれだけのことで、仕事力が3倍アップする時間活用法』 (実務教育出版)

そういえば、私この本持っていたよ。


この本はオーソドックスな時間管理術の本です。スケジューリングにPDCAサイクルを入れろとか、長期的なスケジュールも作りましょうという内容です。

ということで、講演聴いてないけど、@ozakihajimeの発言を元に'リアルタイム調整'と'スケジュールを常に目にする'に分けて考えてみたい。

1.リアルタイム調整

これはおそらく、上記の本で述べている、クレーム対応等の突然発生する「降ってくる仕事」をその場で対応すべし、というもの。

別の言い方をすると、「すぐに解決できるものは、その場ですぐに解決しろ

ということ。普通の人的にはこれで良い。しかし、私見だがADHD的には、「すぐに解決できない仕事は、ちゃんと後回しにして本来の仕事しろ」の方が重要な気がする。

ADHDは空想が入ったりしやすいため、仕事の時間の見積もりが難しいという問題がある。そのため、どれがどのくらいで終わるのかの判断が付けられずに、仕事を溜め込んでしまう傾向がある。この仕事時間の見積もりについては、サポートや訓練が必要な部分だと思う。

というのは、タイマーを使って仕事時間を計測しようとしても、一人だと忘れるから。サポートの人にお願いして、時間の計測をやってもらうのが良いと思う。

この手の本には、自分の集中出来る時間で区切ってコマ数で仕事を分けていくという手法を唱えるものもあるんだけど、ADHDはその集中時間が一定しないからコマ分け法は難しい。

15分くらいごとにタイマーで進捗を見る方法も、職場で定期的にビービー鳴らすのが不可能だと使えない。私のオススメは振動機能付きの時計で15分後とにカウントを取るのがオススメ。ただ、自分の世界に深く入り込んでしまっていると振動と気が付かないことがあるため、振動の強いものを選びたい。

また、タスクの細分化、PDCAサイクル化だが、基本的に、タスクを1コマ分に分けてもADHDの特性から終わるはずなのに終わらなくて自己嫌悪->精神蝕む->さらに特性が強く出て仕事がますます遅くという負のサイクルがあるので、個人的にはADHDに限っては1コマ分のタスク細分化は推奨しない(=自分には合わなかった)このあたりは自分の特性を良く見て判断してくださいな。

PDCA(Plan,Do,See, Action)サイクル作成はすぐに作れるなら良いかもしれない。自分には時間が掛かりすぎた。

2.スケジュールを常に目にする'

壁とかに貼っておくと言うことなんでしょう。

定番はトイレの内側のドア。玄関の扉の内側。

パソコンのデスクトップをRemember The milkにすることで、

PCの電源を入れると、画面にタスク一覧が出てくる方法もあります。

これはPCを仕事に使っている人にオススメ。

設定法はhttp://d.hatena.ne.jp/hmiyaza1/20070328/1175000292

をご覧ください。

以上、講演聴いてないけど、著作から公演内容を推測するのコーナーでした。誰か講演聞いた方で違っている点や、有用な情報があったら教えてください。

posted by hati at 12:41 | Comment(1) | TrackBack(0) | 生活の質向上 はてなブックマーク - 発達障害者の時間管理という講演があったと@ozakihajimeのTweetで知った。講演者の著作から公演内容を推測してみた。

2010年06月18日

スウェーデンで大人に覚せい剤(といってもリタリンやアデラール)を投与することで80%がADHDの症状を制御できたという報告がありました。

日本でも、ストラテラが18歳以上にも処方されるようになるというニュースが先日ありました。これまでは子供だけだったものが成人にも認可されるかもという状況です。海外の事例を探してみたところ、子供だけに認可で成人対象外と言うケースは外国でもあることが分かりました。

ついでに、スウェーデンで大人に覚せい剤(といってもリタリンやアデラール)を投与することで80%がADHDの症状を制御できたという報告がありましたので紹介いたします。

ソース:http://www.postchronicle.com/news/health/article_212307433.shtml

タイトルは「ADHDを持つ大人は覚せい剤を飲むべきか」

Stimulantは辞書を引くと覚せい剤。普通にADHD薬とか刺激薬と訳したほうが無難かなと思いつつ、素直に直訳します。

A team of Swedish psychiatrists found that stimulants relieved symptoms in 4 out of 5 adults with attention-deficit hyperactivity disorder (ADHD).Further, the long-term side effects of the drugs appeared to be few and mild.

スウェーデンの研究グループは覚せい剤がADHDを持つ大人の80%に症状緩和の効果があったことを発見しました。しかも、長期的な副作用はほとんどなかったそうです。

"Adults with ADHD are extremely susceptible to stress, forgetfulness and restlessness. They also have low self-esteem and are often emotionally unstable.""Not that stimulant treatment helps with everything," she added, "but it usually makes life a bit easier for these adults."

ADHDを持つ大人は大変なストレスにさらされているし、忘れ物が多く、落ち着きも無い。自尊心も低く、感情的に不安定である。覚せい剤はまだその全てに効くわけではない。でも、生活を少し楽にしてくれる。

Stimulant drugs, including Ritalin and Adderall, are FDA-approved for children with the disorder.
リタリンやアデラールなどの覚せい剤はFDAによって子供の障害用に承認された。 (うーん、リタリンやアデラールは覚せい剤か?覚せい剤のようなもんだと言えばその通り。やっぱりADHD薬と訳すべきか?)
However, not all of the drugs are approved for adults, as data on safety and efficacy in this age group lag behind those in children.

でも、その全ての薬が大人用に承認されていない。薬の安全性や有効性の大人に対するデータは子供のデータと比べると少ない。

This is crucial hole to fill, note the researchers, especially since an estimated 3 to 4 percent of adults have ADHD -- many of whom are now using the stimulants for extended periods of time.

ところが、3-4%の成人は、子供の頃から使っている薬をそのまま継続して使っている可能性があるそうです。

日本でもストラテラを処方を打ち切られた後に、個人輸入で対応している成人当事者を知っています。リタリンも一部の発達障害クリニックが抵抗したようですが、有名どころのクリニックはたいていマークされてしまったようですね。一部にしぶとくナルコレプシーの診断書を書いてもらって処方されていた人がいましたが、最近ナルコレプシーの診断も強化されました。

By 6 to 9 months into the study, 80 percent of patients had successfully controlled their ADHD symptoms with stimulants.

実験はスウェーデンで行われ133人の成人に覚せい剤を投与しました。6-9ヶ月経過後の調査では、80%の当事者が薬によってADHDの衝動を上手く制御できることが分かりました。

Other treatment options do exist for adults with ADHD, including a non-stimulant medication called atomoxetine (Strattera).However, as Bejerot noted, people tend to find the drug's side effects more bothersome than stimulants.

もちろん、覚醒効果の低いADHD薬として今注目を浴びているストラテラもあります。(ここまでnon-simulant medicationと表記されていますね) しかし、薬の副作用が覚せい剤のそれよりも厄介なものである可能性がある。

今回の実験ではリタリンやアデラールといった覚醒効果のある薬を成人ADHDに用いても、大きな副作用はないという結果でした。一方、ストラテラには程度は不明なら、自殺願望等の副作用があります。もしかすると、一般の人たちの思い込みとは別に、覚せい剤のほうが副作用が小さい可能性があるわけです。

この元論文を是非読みたいところであり、実は元論文へのリンクも貼ってあるのですが、どういうわけか、論文が出てきません。

http://article.psychiatrist.com/dao_1-login.asp?ID=10006909&RSID=91805808584116%3C/p%3E

ところで、この結果を受けたスウェーデンはリタリン等の成人処方はどうなったんでしょうかね?今度、調べてみたいと思います。

2010年06月17日

アメリカW杯代表のGKハワードはトゥレット症候群でした。でも、彼は内面の強さ、自分への自信を積み重ねていくことで成功しました。発達障害などの成功の鍵も、自分の自尊心、自信を積みかさねられる強みの早期発見が重要だと思いました。

本日のネタはアメリカのゴールキーパーの話。

以前も某水泳選手がADHDだという話が出てきました。

この手の瞬発力勝負の競技に向いているのでしょうかね。

元記事はhttp://www.foxnews.com/story/0,2933,594750,00.html?test=faces

アメリカのW杯代表ティム・ハワードはトゥレット症候群を持っているそうです。

日本のWIKIPEDIAにも書いてあります。

トゥレット症候群と言えば、頻繁すぎる瞬き、首振り、叫びや意味不明な短い言葉の連呼などがあります。

ハワードはバスケットボールとサッカーで優れた成績を残し、プロサッカー選手となったわけですが、20万人の重度のトゥレット症候群を持つアメリカ人がいて、もっと軽度を含めると100人に1人に症状がある。アメリカの人口は4億人くらいですから400万人程度となりますね。

"The prognosis is actually quite good, Kurlan said."A lot of people don't realize it, but about a third of people grow out of the syndrome when they become adults."

予後は良いそうです。多くの人たちがそれに気が付いていないけど、3分の1は大人になると治ります。

 ADHDもそうですが、多くの人たちが気が付かない、大人になると自然に治ってしまう障害は、大人のサポートがおざなりになりがちですね。。

Kurlan said about half of all people with Tourette's will have ADHD.

トゥレット症候群患者の半数はADHDを持っているそうです。アメリカで約200万人という計算になります。日本でも割合が変わらないのならば、ADHDは52万人いることになります。

Howard, who has been described as having "unshakable confidence and leadership," is definitely exceptional, Kurlan said, especially since many people with Tourette's shy away from very public jobs and career pursuits.

ハワード選手の場合にはゆるぎない自信とリーダーシップを持っているものとして表現されいますが、彼は例外。多くのトゥレット症候群患者は恥ずかしがりやで仕事にも制約が生じてしまっています。

"Again this shows a tremendous amount of inner strength and self-confidence, which is probably the key to success for people with Tourette syndrome."Kurlan said he and colleagues always say that if people with Tourette's can maintain their self-esteem and self-confidence, that everything will work out in the end and they will find their place in life.

「内面の強さ、自分への自信、そういうものを多く積み重ねていくことが彼らの成功のキーである。」トゥレット症候群患者が自尊心や自信を維持できれば、全てが最終的には上手くいくだろうし、彼らは自分の居場所を見つけられるでしょう。

私もこれまで当事者会を何度も開催してきましたが、やはり強烈なネガティブ思考の人はいるもので、幹事の力量不足もあるわけですが、そういう人がいると場が荒れやすく、結局そのネガティブ思考の人を次回から参加お断りにすることがありました。

ハワード選手はサッカーと言う自分の自信が持てる分野を見つけることに成功し、それが現在の彼の充実した人生に繋がっていることを考えると、

自分の自尊心、自信が持てる分野を早いうちに見つけてあげることが、発達障害の人にも重要なんだろうなと思います。

posted by hati at 21:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 はてなブックマーク - アメリカW杯代表のGKハワードはトゥレット症候群でした。でも、彼は内面の強さ、自分への自信を積み重ねていくことで成功しました。発達障害などの成功の鍵も、自分の自尊心、自信を積みかさねられる強みの早期発見が重要だと思いました。

2010年06月16日

今年の国際自閉症学会において、自閉症は早期の治療では改善されないと言う報告がありました。でも、親と子供の社会的なコミュニケーションに関しては明確な効果があったと元論文には記載あり。

元ネタ:http://www.reuters.com/article/idUSTRE64P46120100526

この記事のソース:International Meeting For Autism Research, 9th Annual Meeting, May 20-22; and the Lancet, online May 21, 2010.

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2810%2960587-9/fulltext

産経新聞の件といい、おとといのフランスの記事と言い、発達障害早期治療論ばかり取り上げるのも不公平なので、今日はこの記事を取り上げたいと思います。

Green said neither behavioral nor drug treatment had been very successful at improving autistic symptoms, such as poor social skills, slow language development and repetitive behaviors.

行動治療も薬物治療も自閉症の症状改善にはほとんど効果が無かったそうです。それは社会的スキルや言語発達、行動といった分野で。

But a few smaller studies had suggested that communication-focused treatment -- based on recent insights into autism development -- might be effective.

例外として、コミュニケーションに特化した治療は効果があるかもしれないと述べています。

論文の全文入手は出来なかったのですが、要約を入手できたのでそこから詳細な実験内容を見てみたいと思います。

Children with core autism (aged 2 years to 4 years and 11 months) were randomly assigned in a one-to-one ratio to a parent-mediated communication-focused (Preschool Autism Communication Trial [PACT]) intervention or treatment as usual at three specialist centres in the UK.

対象は2歳から4歳11ヶ月までの子供です。上文中にはありませんが、調査対象者は152名。

On the basis of our findings, we cannot recommend the addition of the PACT intervention to treatment as usual for the reduction of autism symptoms; however, a clear benefit was noted for parent-child dyadic social communication.

結論しては、 自閉症の症状の軽減のために早期の治療を行うことは推奨しない。ただし、親と子供の 社会的なコミュニケーションに関しては明確な効果があった。

(以下、感想)

アメリカや英国では、早期治療で子供の自閉症を治します、という謳い文句で高額のレッスン料を徴収する会社があります。そういう会社の主張と真っ向から対立する今回の記事です。

そう考えると産経新聞のアレは親を不安がらせて、高いレッスン量の自閉症サポート教室に通わせたい人間が裏で糸を引いていたのかもしれません。

そもそも、4歳11ヶ月の段階では、本当に自閉症なのか、それとも発達がやや遅れ気味なだけで後で挽回するのか判別困難なはずで、 たとえ、そういうレッスンで改善しても、本来あるべき成長をしただけなのか、区分け困難な気もしますね。。

とりあえず、コミュニケーションに関しては効果が見られたと言うことで、よく話しかけるということを心がける以外は、自然な成長に任せるのがお財布にも精神的にも、子供のストレス的にも楽そうです。

2010年06月15日

AD/HD治療薬「ストラテラ」、18 歳以降も継続可能に。でも、18歳以上で発症した場合にはNGって何じゃそりゃ

http://www.yakuji.co.jp/entry19481.html より

厚生労働省は、日本イーライリリーの注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「ストラテラカプセル」(一般名:アトモキセチン塩酸塩)について、18歳を過ぎても継続使用できるよう添付文書を改訂する方針を固めた。

 同剤は、小児のAD/HDを適応症とする世界初の非中枢神経刺激薬。脳内の前頭前野でノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、AD/HDの中核症状である不注意、多動性、衝動性を改善する。適用は18歳までに限定されている。

 今回の対応は、18歳までに使用していた患者が、引き続き服用することを可能にするもので、 18歳を超えてから発症 した場合には 使用できない 。ただし、成人を対象とした治験が現在進められている。

ADHDは発症するものだったのか!!

これは厚生労働省が発表したもの文書がこの表記なのか、

薬事日報が分かりやすさのためにこういう表現に改めたのか、どっちだ?

と、感情的になってしまいましたが、よく考えると頭を強打するなどの理由から後天的にADHD的性質を獲得してしまうケースを指しているんでしょうかね。

そう思いたです。

さて、このストラテラ、ADHDにとっての救世主になるんでしょうか?

ストラテラを処方されていた成人や、海外から個人輸入しちゃった成人もいますので、この薬の評価についてはある程度収集することが出来ます。

・副作用としては、自殺観望が有名ですね。後はEDなど。

二次障害が重篤な人が飲むと危ないのかもしれません。

・リタリン以上!!という評価を聞いたことがありません。。。

「リタリンは効いたけど、これはダメ。」か「リタリンよりは利きが弱い」というコメントが私の周囲には多いです。

3年位前でしょうか。イライリリーによる成人向けADHDの治験が募集されていましたね。私も募集したのですが、人気があった模様で、落選してしまいました。治験先には秦野の東海大学が挙げられていました。

ストラテラはリタリンに比べて薬価が高いので、アメリカではあまり聞きませんね。ただ、アメリカでもリタリン有害論を唱える人はいます。でも、彼らもストラテラを使おうっていう動きは見せていませんね。

posted by hati at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新規治療法 はてなブックマーク - AD/HD治療薬「ストラテラ」、18 歳以降も継続可能に。でも、18歳以上で発症した場合にはNGって何じゃそりゃ

2010年06月14日

ADHDのケースの半分は社会的要因(=後天的要因)にリンク・・・フランスの記事より。でも、実はADHD薬を子供が使っているかどうかを見ているだけ。不十分な検討。

日本でも産経新聞が後天的要因で発達障害の症状に差が出るという記事を書いて物議を醸しましたが、これは日本に限らないようです。

(元ネタ)http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5g3d98t9d5zn_OYbvL-TuWY6jijkQ

Nearly half of serious cases of attention deficit hyperactivity disorder in children are closely tied to social factors such as single parenting and poor maternal education, reports a new study.

子供の注意欠陥の約半分が片親である、親からの教育が不十分であるなどの社会的な要因によって関連付けられているとの報告ががパリからあった。

Studies of identical twins separated at or near birth show that if one sibling is affected, there is a better-than-average chance the other will be as well.

実験は双子を使って行われました。

To help fill that gap, researchers in Sweden sifted through data on 1.16 million school children and examined the health histories of nearly 8,000 Swedish-born kids, aged six to 19, who had taken ADHD medication.

116万人の子供たちのデータから、8000人のADHD用の薬を摂取していた6歳から19歳の子供の健康履歴も検討した。

The study, published this week in Acta Paediatrica, found that women who had only received very basic education were 130 percent more likely to have a child on ADHD medication than women with university degrees.

その結果は、母親が大学以上の学位を持っている場合に比べて、母親の学歴がそれより低い場合、子供がADHD薬を処方されている率が高いというもの。

Living with a single parent increased the chances of being on medication by more than 50 percent, while coming from a family on welfare upped the odds by 135 percent.

母子家庭の子供を入れるとその比率は50%増し、生活保護を受けている家庭の子供を入れると、135%に増加する。

Lack of time and money are more common in single-parent families, as are family conflict and a lack of social support, he said.

時間とお金の欠如が、家族間のふれあいや、社会的サポートの欠如を招いていると、研究者は言う。

Further research is needed to explore the intersection of genetic and environmental factors to devise better prevention strategies, he added.

今後の研究は、遺伝子と環境要因の相互作用の探索ではなく、予防戦略になるそうです。今後の研究は遺伝子と環境要因の相互探索を通じた予防戦略になります。(6/15、翻訳間違いでした。指摘してくださったcollectEXさん、Thanks!)

(以下、感想)

ADHD"薬"の投与率であって、診断率ではない点に注意が必要です。というのも、リタリンにしろコンサータにしろ、有害論が各地で叫ばれていますが、基本的に学歴の高い母親ほど、このような有害論を入手して子供への薬物投与を制限する機会が多いと推測されるためです。

また、低学歴側に母子家庭や、生活保護世帯を入れると、ADHD率が上昇する件、高学歴側はどうなんでしょうかね?学歴と社会的要因の二つがごっちゃになっているため、イマイチよく分かりません。

また、このデータは母子家庭を挙げていますが、'共働き'がデータに入っていません。データの元はスウェーデンですが、この国の共働き率は60%を超えています

全体的に提示されているデータが少なくてミスリードな記事だと思いますね。

なお、当エントリはあくまでフランスでこういう記事があったという紹介であり、私のADHDに対する考えを示すものでは有りません。

2010年06月06日

尿中の農薬とADHDに相関があるという。でも現時点で大騒ぎして意地でも無農薬にこだわる必要は無いと思っています。とりあえずは「野菜や果物は食べる前によく洗ったほうがよい」を実践しておけばいいと思います。

Twitterで、農薬とADHDの相関についての記事があることを@kinoko_ruに教えてもらった。

   @ asahi: 農薬摂取で「子の注意欠陥・多動性障害増える」 米研究

   http://www.asahi.com/science/update/0518/TKY201005180194.html

リンク元にはこのような記事。

  

【ワシントン=勝田敏彦】米ハーバード大などの研究チームが、有機リン系の農薬を低濃度でも摂取した子どもは注意欠陥・多動性障害(ADHD)になり やすいとの研究結果をまとめた。17日発行の米小児学会誌に発表した。

 研究チームは米国の8〜15歳の子ども1139人の尿の成分を分析、親と面接してADHDの診断基準に当てはまるかどうか調べた。

 分析の結果、検出限界ぎりぎりの濃度でも農薬成分の代謝物が尿から見つかった子は、検出されなかった子よりもADHDと診断される可能性が1.93倍になった。  これまでの研究は、たとえば農村地帯に住む農薬の摂取量が多い人らを対象にしたものだった。チームは論文で「今回のように米国で普通に摂取されているようなレベルでも、農薬成分がADHDの増加につながっている可能性がある」としている。

 農薬成分は農作物に残留したりして子どもの体内に入ったと考えられている。チームのマーク・ワイスコプさんはロイター通信の取材に「野菜や果物は食べる前によく洗ったほうがよい」と話した。

 発達過程にある子どもの脳などは、農薬など神経系に障害を与える可能性がある化学物質に特に弱いと考えられている。農林水産省によると、有機リン系の農薬は日本でも使われている。

早速、元ネタを探索。

http://blog.usfoodsafety.com/2010/05/17/attention-deficithyperactivity-disorder-and-urinary-metabolites-of-organophosphate-pesticides-bouchard-et-al-10-1542peds-2009-3058-pediatrics/

"Children with higher concentrations of urinary dialkyl phosphate (DAP), especially dimethyl alkylphosphates (DMAP), were more likely to be diagnosed with ADHD.

どうやら、有機リン系のなかでも、尿酸ジメチルアリキルリン酸(DMAP)が犯人のようです。この物質の尿中濃度とADHDに相関があったという。

There are six dialkyl phosphate metabolites; each of these can be produced from the metabolism of more than one organophosphate pesticide. Organophosphate pesticides act by interfering with the transmission of signals in the nervous systems of both insects and humans, if humans are exposed in high enough amounts.

この物質は、害虫の神経伝達を阻害するタイプの殺虫剤です。なるほど、人間、とくに妊婦にも影響がありそうです。

A coalition of five US groups launched a lawsuit in 2008 in an attempt to have four organophosphate pesticides removed from the market.

アメリカではこれらの殺虫剤の規制を求める訴えを起こしているようです。でも、まだ進展していないそうです。

さて、このジメチルアルキルリン酸、何者なんでしょうか?

Wikipediaによると

"Alkyl phosphates are widely distributed in nature, and form the basis of most biological processes."

自然界に幅広く存在しているそうです。。過剰濃度がダメということなんでしょうか。

でも朝日の記事には検出限界ギリギリでもダメと書いてありますね。

ここで@jtkbinが論文を紹介してくれました。

http://pediatrics.aappublications.org/cgi/content/abstract/peds.2009-3058v1

ここからPDFで落とせるとは便利な世の中だ。

実験方法や結果は日本語版でも書かれているので割愛。

CONCLUSIONS:

These findings support the hypothesis that organophosphate

exposure, at levels common among US children, may contribute

to ADHD prevalence. Prospective studies are needed to establish

whether this association is causal.

あくまでも仮説の検証であって、より詳細な検証が必要であると結論付けていますね。

The US Pesticide Residue Program Report's 2008 indicates that detectable concentrations
of the organophosphate malathion were found in 28% of frozen blueberry samples, 25% of strawberry
samples, and 19% of celery samples.

どれくらいの分量が検出されているのかは不明ですが、食品中に相当の割合で検出されている物質のようです。

Children are generally considered to be at greatest risk from organophosphate
toxicity, because the developing brain is more susceptible to neurotoxicants
and the dose of pesticides per body weight is likely to be larger for children.

あたりまえですが、体重が小さい子供にその影響は大きいわけです。

特にこの物質は脳への影響が大きいことはすでに報告済みでした。

Postnatal organophosphate exposure has been associated with behavioral
problems, poorer short-term memory and motor skills, and longer reaction times in children.

短期記憶や運動能力への影響もすでに報告されていました。

今回の論文は、このような現象を尿中の物質濃度から相関関係を発見したという内容になります。

とにかく、元の論文を読むとまだ研究段階であり、この結果をもってすぐに農薬規制だ、何だということは無いと思います。

また、農薬の中には体外への排出が発生しにくく、体内に残留しがちなものも多いです。

そのため、たまたま体外へ排出されやすく尿中に含まれやすい物質が検出できてしまっただけかもしれません。

なぜなら、尿中の農薬濃度が高い人は体外に排出されにくい農薬も多く摂取していると考えられるためです。

したがって、犯人は別の物質かもしれません。

この論文では、何故その物質が脳に悪影響を与えるのかまでは触れていない。あくまでも統計に基づいた論文だからです。

ですから、現時点で大騒ぎして意地でも有機リン農薬を使っていない野菜にこだわる必要は無いと思っています。

とりあえずは「野菜や果物は食べる前によく洗ったほうがよい」を実践しておけばいいと思います。